
教職員向け 教員退職後の第二の人生を豊かにするために、棚卸しをしておきませんか?
2025年12月20日 15:00
教員退職後の「第二の人生」をどう描くか──Type_T発表でお話ししたことと、私自身の実践
12月9日(火)、Type_Tの発表にて
「教員退職後の第二の人生を、今から意識しておく大切さ」
についてお話ししました。
発表の内容は、以下のアーカイブからご覧いただけます。
https://www.youtube.com/live/-ao9jdNVH5M?si=uEn44ze3pf4lbMlR
当日使用した資料にもまとめていますが、この記事では、私自身が教員を辞めてから歩んできた道のりと、そこから見えてきた「これからの教育とキャリア」の話を少し深めて書いてみたいと思います。
■ 教員を辞めて、私は何を始めたのか
私は退職後、
国立・私立の小中学生を主対象とした個人事業
を立ち上げました。
提供しているサービスは次の3つです。
知能検査(WISC・KABC)
療育的通級支援
教育相談
平日は福生市こども家庭センターの巡回相談心理士として勤務し、
心理職としての知識やスキルを磨き続けています。
一方で、週末は個人事業として、
教員時代に培ったアセスメント力や発達支援の実践力を活かし、
必要なご家庭にサービスを届けています。
ありがたいことに、検索される回数が増えるにつれ、
検査や通級支援のお問い合わせも着実に増えてきました。
■ 国立・私立の学校が抱える「見て見ぬふり」の現実
これまで、国立や私立に通う児童生徒について、学校側はこんな風に考えていたのではないでしょうか。
「うちの学校には、そういう課題のある子はいません」
実際に、そう言われたことも…なんなら公立小学校の校長だって、わずか20年前には、こんなことを口にする人、結構いらっしゃいましたね。情緒通級担任の時にはなかなかしんどい思いをしたものです。
それだけではなく「学校生活が難しいなら、退学も考えてはどうですか」
と口にしてしまう先生も、まだ国立私立の先生の中にはいらっしゃるかも?しれません。言わなくてもついていけないと言っていれば、保護者にとってみれば同じことですね。
しかし、現実には発達課題を抱える子どもはどの学校にもいます。
そして、少子化が進む今、「課題のある子は切り捨てる」という姿勢で果たして学校は選ばれ続けるのでしょうか。
さらに、国連からインクルーシブ教育の勧告を受けている日本において、従来のような“排除型”の姿勢は、時代の流れとも国際的な要請とも合致しません。
むしろこれからは、
「多様な子どもを受け入れ、支える学校」こそが選ばれる時代
になっていくと感じています。
■ ギフテッド=万能ではない。むしろ「ピーキー」だからこそ支援が必要
「ギフテッド」と聞くと、“頭が良くて、理数系に強い秀才”というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし実際には、ギフテッドの才能は
学校や文部科学省が期待する「学力」や「理数系の強さ」だけではありません。
むしろ、ギフテッドの条件の一つには
極めて高い言語能力
が含まれています。
一方で、
異常なほど不器用
気持ちの切り替えが極端に苦手
生活に支障をきたすほどこだわりが強い
認知の凸凹が大きい
といった“ピーキーさ”を併せ持つことも多く、
学校生活では
「指示を理解できない」
「やろうとしない」
「落ちこぼれ」
と誤解されてしまうことが少なくありません。
そして残念ながら、
こうした実態を知らない国立・私立の教員はまだまだ多い
というのが現場の実感です。
■ だからこそ必要だった、「才能を見つけ、支える場所」
ギフテッドの子どもたちの才能を見つけ、伸ばし、
つまずきの原因となっている課題を改善する支援。
それを
分析し
支援方針を立て
児童生徒に寄り添いながら実践する
こうした場は、これまでほとんど存在しませんでした。
だからこそ私は、
たまっ子ふぁん教育相談室/多摩湖畔通級支援室
という場所をつくりました。
これまで見過ごされ、退学を余儀なくされてきた国立・私立の児童生徒が、安心して「選んだ学校」に通い続けることができる支援を行うことができる場所を作りたい。そう考えたからです。
そして、このニーズは
私のような小さな個人事業では到底満たしきれないほど潜在的に存在している
と感じています。
■ そのために、私は何年も前から準備してきた
こうした支援を実現するために、
私は教員を退職する何年も前から準備を始めていました。
WISC・KABCを自分で実施し続けた
教室での様子から課題を分析するアセスメント力を磨いた
感覚統合、ビジョントレーニングの知識とスキルを学び続けた
そして、その努力の最たる成果が
公認心理師資格の取得
です。
この積み重ねがあったからこそ、
私は今、
他の教員には真似できない、自分だけの商品を提供できる事業
を展開できました。
私の棚卸しの結果、
浮かび上がった私の「資質」は、
発達課題をもつ児童生徒への支援力
課題を見抜くアセスメント力
この2つでした。
■ 第二の人生は「退職してから考える」では遅い
今回のType_Tの発表で最も伝えたかったのは、
第二の人生は、退職してから考えるものではない
ということです。
教員として積み重ねてきた経験や知識は、
実は多くの人が思っている以上に価値があります。
ただし、その価値は
自分では気づきにくい
という厄介な特徴があります。
だからこそ、現役のうちから
自分の資質を棚卸しする
どんな働き方が自分に合うか考える
小さくてもいいから実践してみる
こうした準備が、退職後の人生を大きく左右します。
■ 私が歩んでいるのは「ハイブリッド型」のキャリア
私は現在、
平日:公的機関で心理職として働く(安定)
週末:個人事業で専門性を活かす(挑戦)
という“ハイブリッド型”の働き方をしています。
これは、教員時代に培った資質を
「事業レベル」まで磨き上げてきたからこそ
実現できた働き方です。
そして、この働き方は、
これからの教員の第二の人生として
十分に現実的な選択肢になり得ると感じています。
■ 最後に──あなたの「第二の人生」は、いつからでも描ける
教員という仕事は、
人の人生に深く関わる尊い仕事です。
しかし同時に、
その経験は退職後も社会に大きく貢献できる
“資質”として活かすことができます。
もし今、
退職後の人生が想像できない
自分に何ができるかわからない
と感じている方がいたら、
ぜひ一度立ち止まって、
ご自身の資質を棚卸ししてみてください。
第二の人生は、
先生方ご自身が思っているより、ずっと自由で、ずっと広い
はずです。