
小集団だからこそ育つ力~多摩湖畔通級支援室の取り組み~
2025年11月01日 22:34
小集団だからこそ育つ力
〜多摩湖畔通級支援室の取り組み〜
多摩湖畔通級支援室では、最大4名までの小集団指導を行っています。少人数だからこそ、一人ひとりの特性に寄り添いながら、仲間との関わりの中で「できること」を増やしていくことができます。少人数だからこそ、子どもたちの安心感を保証し、友情を育むことができると考えます。
対象となるお子さん
当支援室の小集団指導は、以下のような困り感を感じていらっしゃるお子さんを対象としています。
身体の動きがぎこちなく、不器用さがある
無意識に身体が動いてしまう(多動傾向)
集中力が続きにくい
板書の写し書きが苦手で、学習に困難を感じている
「気になるけれど、どう支えたらいいか分からない」そんな保護者の思いに寄り添いながら、子どもたちの成長を支えていきます。
指導内容のご紹介
活動は、身体の使い方や認知機能を育てることを目的とした遊びや運動を行います。
目的もなく眺めていると「遊んでいるだけじゃないの?」と誤解されそうですが、なぜ昔の子は発達障害に当たる子が少なかったのか。現在、急増しているのは単に発達の特性に関する理解が広がっただけではなく、昔遊びの中に、自然と身体・認知機能を高める動きが含まれていたからだということをご存じでしょうか?
当支援室では、遊びを取り入れる場合も、目的と効果を明確にして取り組んでおります。
🔹身体の動きを意識する運動
スキップ、ギャロップ、匍匐前進、様々な動物歩きなどを通して、身体の部位を意識的に連動させる力を育てます。
コオーディネーショントレーニングでは、動きの「質」を高めることを目指します。
🔹目と手の協応を育てる活動
タッチライトやハンドスピードチャレンジなど、目で見て手を動かす練習を行います。
身体面のコグトレ(認知機能トレーニング)も取り入れ、「見る・動かす・止める」を統合していきます。
🔹衝動性を抑える練習
命令ゲームや旗上げゲーム、色・絵・数を使ったコグトレなどを通して、「待つ・考える・動く」のバランスを整えます。
楽しみながら、衝動をコントロールする力を育てます。
🔹コミュニケーション・記憶・情報処理の力を育む
スリーヒントクイズ、わたしはだれ?20のトビラなどの活動を通して、「聞く・覚える・伝える」力を自然に育てていきます。
仲間とのやりとりの中で、社会性も育まれます。
指導のねらい
この指導では、以下のような力を育てることを目指しています。
自分の手足の位置を意識し、正しく動かす力
眼球運動を整え、視覚情報を正確に捉える力
身体で受ける感覚刺激を適切に処理する力(感覚統合)
これらの力は、学習や生活の土台となる大切な力です。
到達目標
継続的な取り組みを通して、以下のような姿を目指します。
必要な情報と不要な刺激を無意識のうちに仕分けられる力がつく
集中力が持続できるようになる
身体の動かし方が整い、学習や生活がスムーズになる
道具を「自分の身体の延長」として使えるようになる
物事を整理して論理的に考える土台が身につく

保護者・教育関係者の皆さまへ
「できない」ではなく「育てていく」視点を大切にしています。小集団だからこそ見える個性と成長があります。
このような指導は、公立小学校なら情緒通級や特別支援教室で受けられるのですが、国立や私立の小中学校ではなかなか利用できません。
「なぜこの子は指示が伝わらないのだろう」「どうして落ち着きがないのだろう」と疑問を感じたまま、やみくもに宿題や課題の量を増やしてしまい、やり切れずに自信を失い、退学や転校に追い込まれてしまう。そんなおこさんがいらっしゃるのではないでしょうか?
必要なのは「課題の量を増やすこと」ではなく「学習の基礎となる土台作り」だったのです。
ご家庭や学校と連携しながら、子どもたちの「できる」を一緒に増やしていきたいと考えております。
見学・相談のご案内
多摩湖畔通級支援室では、これまで、手の届かなかった国立や私立の児童生徒が必要とする支援を行います。
見学や体験会の受付は随時行っております。
お気軽にお問い合わせください。