発達のつまずき、乗り越えるヒント

地域みらい留学を選んだ娘の父親として

地域みらい留学を選んだ娘の父親として

2026年02月01日 20:01

地域みらい留学を選ぶか迷うあなたへ

――「実際に送り出した保護者」からの本音の助言――

最近、高校進学時の進路を考えるとき、「地域みらい留学」という選択肢が当たり前のように上るようになってきたと感じます。

いや、一般的にはほとんど知られていない現状に変わりはありませんが、うちの娘を送り出した6年前と比べれば、知名度も利用者数も圧倒的に増えました。うちの娘が留学した時は88校だった留学先も、今年度は173校から選べるようんになっているし、その時に485名だった留学生数は、去年度は816名と倍近くになっているし、知り合いの教頭先生から「うちの学校も地域みらい留学を勧めた」「希望する生徒が出てくるようになった」と伺いましたし。


しかし、じゃあ留学制度を前向きに検討しようかというと、いまだに反対する保護者の割合が多いようです。
「よく、子どもをそんな遠くに留学させる気になったね」と、知り合いの方から異口同音に何度言われたことか。
でも、実際に娘を地域みらい留学で送り出し、3年間を見届けた親だからこそ、伝えられることがあります。


1.「よく留学させる気になったね」と言われるけれど

中学生ともなれば、発達段階的には「自分は何者か」を模索し、自分の力で生きる準備を始める時期です。
それでも現実には、学費も生活費も親に依存しているため、「親の言うことを聞いて当たり前」と考えられがちです。

保護者としては、
「大人になってから、自分の好きな場所で生きればいい」
と言いたくなる気持ちもあるでしょう。

しかし、実際にはどうでしょうか。

大人になっても、なんだかんだ理由をつけて地元に引き留めてしまう保護者は少なくありません。

ただ、「大学だけは首都圏でもいいよ。就職に有利だから」と、条件付きで認めるケースはよく耳にします。

けれど、大学進学を機に一度親元を離れ、自分の足で立つ感覚を知った子どもが、
その後も素直に親の期待通りに戻ってくるでしょうか。

今はネット文化が発達し、「毒親」「モラハラ」「アダルトチルドレン」といった言葉や情報が、動画サイトやSNSにあふれています。
もし子どもが「自分の親は強圧的かもしれない」と感じていたとしたら――

  • 「一刻も早く親元から離れた方がいい」

  • 「自由を手に入れたら、もう戻らない方がいい」

と考える可能性もあります。
その結果、地元に戻らない、場合によっては親子関係が長期的に修復困難になるリスクもゼロではありません。

だからこそ、
「親の安心のために、子どもの選択肢を狭めたことが、却って親子関係を破壊していないか」
その可能性を、一度考えてみてほしいのです。


2.地域みらい留学に「向いている親子」と「向いていない親子」

実際に娘を地域みらい留学で送り出した立場から、あえてはっきり言います。
この制度は、誰にとっても「お得なサービス」ではありません。
向いている親子と、正直、向いていない親子がいます。

≪向いている親子≫

  • 子どもの自主性をある程度尊重できる親

  • 「なぜこの地域で学びたいのか」という目的がはっきりしている子ども

  • 学力の高低や不登校経験に関わらず、地域の文化に自ら飛び込み、溶け込み、自分の力にしようとする意志がある子

地域みらい留学で大事なのは、
**「偏差値」で学校を選ぶのではなく「その地域で何を学びたいか、自分がどんな貢献をできるかという姿勢」**です。

  • 新しい環境に戸惑いながらも、少しずつ関わろうとする気持ち

  • うまくいかないことがあっても、「どう乗り越えようか」と考えようとする姿勢

  • 地域の人達の中に飛び込み、第二の故郷として貢献する覚悟と意欲

そうした「生きる力」を育てたい親子には、地域みらい留学はとても大きなチャンスになります。

≪向いていない親子≫

逆に、次のような考え方が強い場合は、かなり危険です。

  • 「自分の手に負えないから、代わりに子どもの面倒を見てもらおう」という親

  • 責任を果たす・努力をする経験を積んでこず、うまくいかないとすぐ人のせいにしてしまう親子

  • 地域みらい留学を『当然の権利』『サービス』と勘違いし、要求ばかりエスカレートさせ、義務や約束を守らない親子

地域みらい留学は、「お客様として扱われる場所」ではありません。
地域の人たちと一緒に暮らし、学び、支え合う「共同体」の一員になることです。

「してもらって当たり前」
という感覚が強いと、必ずどこかで軋轢が生まれます。


3.地域みらい留学コーディネーターの方へお願いしたいこと

うちには娘が二人おりますが、揃って今春、離島への就職を決めました。しかし、末娘が地域みらい留学を利用しなければ、
離島での就職を考えることも、実現することもなかった
と断言できます。

それほど、この制度が娘たちに人生の指針を与えた影響力は大きいもので、魅力的で、優れた仕組みです。
保護者として、心から感謝しています。

だからこそ、コーディネーターの方々に、あえてお願いしたいことがあります。

  • 「生徒が来てくれれば誰でもよい」ではなく、
    その親子が3年間やっていく目的・覚悟・責任感を持っているかを、しっかり見極めてほしい。

  • 地域に負担ばかりがかかり、「やっぱり地域みらい留学なんてやるべきじゃなかった」と制度そのものが否定される未来を、どうか避けてほしい。

この制度は、「数」を追うためのものではなく、
**「地域と子どもが、互いに育ち合うための場」**であってほしいのです。そのためには、留学生としてふさわしいと思えない生徒さんは受け入れを断る勇気を持っていただけるとありがたいと思います。

この制度がこの先何十年と続くために、ぜひよろしくお願いいたします。(自分勝手な親であり申し訳ないと思いつつ…)


4.進路に迷ったときこそ、「一緒に考える大人」を増やしてほしい

地域みらい留学を選ぶかどうかは、

  • 家庭の価値観

  • 子どもの性格や発達段階

  • 将来の見通し

こうしたものが複雑に絡み合う、簡単ではないテーマです。

だからこそ、
「親子だけで抱え込まないこと」
を強くおすすめします。

そんな悩みを抱えていらっしゃる保護者様、ぜひたまっ子ふぁん教育相談室へご相談にいらしてください。

この制度を利用した保護者としての経験も踏まえ、

  • 地域みらい留学を含めた多様な進路の選択肢

  • 具体的な高校・地域・学びのスタイルに関する情報

  • お子さんの特性や家庭の状況を踏まえた現実的なシミュレーション

といった相談にお答えいたします。

「うちの子に、地域みらい留学は合うのか」
「今の状態で、親として何を大事に考えればいいのか」
「他にどんな選択肢があり得るのか」

こうしたモヤモヤを、言葉にしながら一緒に整理していく場だと思ってください。


5.最後に――「正解」を探すより、「納得」を積み重ねる

進路に「絶対の正解」はありません。
どの道を選んでも、良かったこともあれば、もっとこうすればよかったと思うことも出てきます。

大事なのは、

  • 子どもの意志をどう扱ったか

  • 親として、どこまで対話し、どこで手放したか

  • そのプロセスに、親子なりの納得があったか

地域みらい留学を選ぶにせよ、選ばないにせよ、
「ちゃんと考えた」「ちゃんと話し合った」と言えることが、
その後の親子関係と、子どもの自己肯定感に大きく影響します。

もし今、
「うちの場合はどう考えたらいいんだろう」
と迷っているなら、どうか一度、たまっ子ふぁん教育相談室の教育相談をご利用ください。

地域みらい留学を含め、お子さんの進路について、徹底的に具体的な進学情報とともに、一緒に整理していきましょう。
あなたとお子さんにとっての「納得できる選択」を見つけるお手伝いをします。