発達のつまずき、乗り越えるヒント

子育ての答え合わせ①勉強が苦手だった長女が自分らしく歩み出す

2026年10月16日 12:34

【子育ての答え合わせ①】「勉強が苦手、将来どうするの?」モヤモヤだらけだった長女が、自分らしく歩み出す

子育てに「絶対の正解」はありません。

幼少期にどう接し、どのような目標を立てたか。そして、親のエゴや期待を押しつけるのではなく、子ども自身の意志や選択を尊重した育て方ができたかどうか――。

その「答え合わせ」は、子どもが成長し、社会に出て自分の足で歩み始めた姿の中にこそ現れるのではないでしょうか。


子育ての真っ最中、親はつい焦ってしまいがちです。

「机に向かって勉強をしてくれない」

「学校の成績が上がらない」

「将来、社会に出てやっていけるのだろうか……」

そんな我が子の姿にモヤモヤしたり、不安で押しつぶされそうになったりしている保護者の方も多いのではないでしょうか。

今年、私は夫婦、長男、義母の4人で沖縄本島・宮古島にそれぞれ就職した2人の娘たちの職場訪問を兼ねた離島観光ツアーに妻のプロデュースで行ってまいりました。

旅程は令和8年10月8日(木)から12日(月)までの4泊5日。この旅で感じた娘たちの成長と、私たち両親の「子育ての答え合わせ」の記録を綴っていきます。


第1回となる今回は、長女のこれまでの「課題だらけだった子育ての歩み」と、現在の沖縄での仕事へとつながるプロローグをお届けします。

-----1. 「勉強が苦手」という現実。親の焦りと「得意」への舵切り

10月8日午前、那覇空港に到着すると、長女が真っ黒に日焼けした姿で出迎えてくれました。レンタカーで那覇から美ら海水族館のある海洋博公園まで、ほぼ長女の運転で案内してくれました。


今でこそこうして頼もしくハンドルを握る長女ですが、ここに至るまでの道のりは、決して順風満帆な「優等生ルート」ではありませんでした。

長女はもともと、とにかく机に向かって勉強するのが苦手な子どもでした。

テストの点数を見て「もう少し勉強してくれたら…」「将来、大丈夫かしら」と、親として焦りや苛立ちを覚えた夜は一度や一度ではありません。

そんな中で私たちが決断したのは、「できない勉強を無理に強いて自己肯定感を下げるより、この子の持っている『体運動神経の良さ』『丈夫な身体』そして『愛嬌(人柄)の良さ』を徹底的に生かそう」ということでした。


高校受験の際は「勉強で苦しむより、実業系で手に職をつけ、早く地に足のついた力をつけるほうがこの子の幸せになるのではないか」と考え、近隣の某都立農芸高校の園芸科を勧めました。

結果として、この「環境選び」が功を奏しました。

農芸高校という専門的な環境で、真面目に実習や運動に取り組み、自分のペースで好成績を維持できたことは、彼女にとって「やればできる」という自信(自己肯定感)を育む大きなステップとなりました。

> 💡相談室からのメッセージ

> 子どもが親の思い通りにならないとき、親は無意識に「偏差値」や「学校の成績」という一つの物差しだけで我が子を測り、焦ってしまいがちです。ですが、少し視点を変えて「体力の強さ」「挨拶ができる明るさ」「人懐っこさ」といった、テストには表れないその子の強みに目を向けることが、親子のすれ違いを防ぐ最初の分岐点になります。

-----2. 予期せぬ「大学に行きたい」――親の描いたレールを外れ始めた瞬間


高校で自分のペースを取り戻した長女ですが、進路選択の時期に差し掛かると、再び親の予想を裏切る展開が待っていました。


私たち親としては、「高校で真面目さを評価してもらい、卒業後は地元の安定した企業に就職してくれれば万々歳」と考えており、大学進学などはまったく想定していませんでした。

ところが高校2年の終わり際、本人から「推薦取って大学へ行きたい」という思いもよらぬ言葉が飛び出したのです。


てっきり勉強嫌いだと思っていたので驚きましたが、理由を聞くと「体育系の大学へ進みたい」とのこと。

「体育大に行って、その後の就職はどうするのか?」「本当に4年間やり切れるのか?」と親としては不安が頭をよぎりましたが、自分で「やりたい」と言い出した顔には、これまでにない意思の強さがありました。


「本人がそこまでやりたいなら、腹を括って応援しよう」と決め、推薦に必要な水準をキープできるよう見守り、無事都内の女子体育大学への推薦入学を果たしました。


しかし、長女の人生を決定づけた本当の転機は、大学進学そのものではなく、大学で出会ったスキューバダイビングクラブに入り、4年間を海に捧げたことだったのです。

-----3. 自分の意志で選んだ道へ


勉強が苦手で、親が「こうなってほしい」と思い描いていた安定したレールからは少しずつ外れていった長女。

しかし、大学でダイビングと出会い、卒業後に彼女が選んだのは、沖縄県恩納村にあるマリンショップ「アルガイド沖縄」のガイドスタッフという道でした。


次回【子育ての答え合わせ②】では、今回の旅のメインの一つである、沖縄の眩しい太陽の下で生き生きと働く長女の「実際の働きっぷり」を、客として体験した目線でご紹介します。


かつて勉強嫌いだった娘が、沖縄の現場でどのように輝いているのか?

親の思い描いたレールを手放したとき、子どもはどんな表情で自分の人生を切り拓いていくのか?


日々の関わりに悩む保護者の皆様に、我が子を見つめ直すヒントをお届けできればと思います。どうぞお楽しみに!