
子育ての答え合わせ③次女と地域みらい留学
2026年11月02日 13:58
前回は、長女が離島でマリンスポーツインストラクターとして働くようになった経緯についてお話ししました。
今回は、現在宮古島でホテルのテレフォンオペレーターとして働く次女についてお話ししたいと思います。
進路に無関心だった次女が夢中になった「地域みらい留学」
長女と次女が離島で働くようになったきっかけをたどると、次女が高校進学の際に選んだ「地域みらい留学」に行き着きます。
高校選びに全く興味を示さなかった次女
今から6年前、次女が中学3年生だった頃のことです。
次女は勉強が特別得意なタイプではありませんでした。しかし、部活動には熱心に取り組み、生活態度も決して悪くありませんでした。
そのため私は、
「本人に合った学校さえ見つかれば、進学は十分できるだろう」
と考え、いくつかの高校を紹介していました。
長女が進学した農業系の高校もその一つです。
「通いやすいし、専門的な知識や技術も身につくよ」 「動物の世話を学ぶコースもあるよ」
そんな話をしても、返ってくるのは生返事ばかり。
どの学校を紹介しても興味を示さず、進路について主体的に考える様子がありませんでした。
5月も終わりに近づき、そろそろ具体的な進路選択を考え始めなければならない時期になっても状況は変わりません。
親としては正直、不安を感じ始めていました。
偶然出会った「地域みらい留学」
そんな頃、Facebookで偶然見かけたのが「地域みらい留学」の情報でした。
現在では少しずつ知られるようになっていますが、当時はまだ制度開始から3年目。
情報も少なく、体験談もほとんど見つかりませんでした。
それでも調べてみると、
全国各地の公立高校に留学できる
離島や山間部など特色ある地域で学べる
現地ならではの教育や体験ができる
という魅力的な制度であることが分かりました。
特に私が惹かれたのは、「地域によっては無料塾が用意されており、放課後に学習支援を受けられる学校もある」ことです。
学力面が心配だった次女には良い環境ではないかと思いました。
ところが、その部分は本人には全く響きませんでした。
次女の心を動かしたもの
それまでどんな高校の話にも興味を示さなかった次女でしたが、地域みらい留学の話をすると反応が違いました。
最初はいつものように薄い反応だったのですが、
「親元を離れて生活できるらしいよ」 「一人部屋の寮がある学校もあるみたいだよ」
と話した途端、
「沖縄に行きたい!」
と目を輝かせ始めたのです。
今まで学校探しに無関心だった子が、急に自分から情報を集め始めました。
どうやら次女にとって重要だったのは、
「親元を離れられること」「離島で暮らすこと」「自分の部屋を持てること」
だったようです。
こだわり抜いた進路選択
ようやく進路先を本気で探し始めた次女でしたが。
ただし、譲れない条件もありました。
まず「一人部屋」であること。
そして「きれいな部屋」であること。
さらに、暖かい南の島であること。
北海道や本土の離島には全く興味を示さず、沖縄や奄美方面ばかりを調べていました。
私が勧めてみた無料塾のある四国地方の学校には目もくれず、本人の気持ちはすでに固まっているようでした。
最終的に次女が選んだのは、鹿児島県立古仁屋高校でした。
当時、地域みらい留学の受け入れに合わせて新しい女子寮が整備されたばかりで、その環境も本人の希望に合っていたようです。
親として反対できなかった理由
三者面談では担任の先生も、
「初めて聞きました」 「本当にそこだけで大丈夫ですか?」 「都立高校は受けなくていいのですか?」
と心配してくださいました。
今思えばそれも当然です。
当時の地域みらい留学はまだ3年目の制度。認知度も低く、先生方にとっても前例がほとんどなかったのです。
しかし私は反対できませんでした。
なぜなら、それまで何を提案しても動かなかった次女が、初めて本気で進みたいと言った進路で、その情報を最初に紹介したのは私自身だったからです。
妻も不安を抱えていたと思いますが、
「学力だけではない経験が、将来の武器になるかもしれない」
という思いから、最終的には送り出すことを決めました。
子どものやる気のスイッチは親の予想とは違う
こうして次女は入寮試験と入学試験を無事突破し、古仁屋高校へ進学することになりました。
古仁屋高校は入寮試験が先にあり、これに合格しないと学校に籍があっても留学生が住める場所がないということになります。この時は9月から10月の間に入寮試験を申し込まないと締め切られてしまっていた覚えがあります。
結構締め切りが早いので、古仁屋高校に限らず、地域みらい留学をご検討の保護者様は遅くとも一学期後半にはある程度留学先を絞り、入寮条件などの情報を確認しておくと良いですよ。
入寮試験後に訪れた北島部「夢をかなえる「かめさん」にお祈りしたおかげでしょうか?
さて、振り返ってみると、この経験から私自身が学んだことがあります。
それは、
子どものやる気のスイッチは、親が考える「良い進路」とは限らない
ということです。
親としては学習環境や進学実績、通学の安全性などを優先して考えます。
しかし子ども本人は、全く別のところに夢や希望を見つけていることがあります。
発達のつまずきがある子どもの進路選択では、親の「良い学校」と本人の「行きたい学校」が一致しないことがあります。けれど、本人が本気になれる環境こそが成長の土台になることも少なくありません。
我が家の次女にとって、それが「離島への留学」でした。
そしてこの選択が、その後の人生や就職先にも大きな影響を与えることになります。
次回予告
次回は、古仁屋高校での3年間についてお話しします。
親元を離れた生活の中で、次女はどのような経験をし、どのように成長していったのか。
また、地域みらい留学で出会った仲間たちとの関わりが、その後の進路選択にどんな影響を与えたのか。
現在、宮古島で働くことにつながった高校生活のエピソードをお届けしたいと思います。どうぞお楽しみに。