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学習ゲーム紹介③こころかるた(アンゲーム)で育てる、聴く力とこころの対話

学習ゲーム紹介③こころかるた(アンゲーム)で育てる、聴く力とこころの対話

2025年10月18日 22:45

🃏「こころかるた」で育てる、聴く力とこころの対話

はじめに:なぜ今「こころかるた」なのか

子どもとの会話が、どこかすれ違ってしまう。そんな経験はありませんか?

「ちゃんと聞いてる?」と問いかけても、返ってくるのは曖昧な返事。

今の子どもたちに必要なのは、「話す力」だけでなく「聴く力」。

その両方を、遊びながら育てられるカードゲームが「こころかるた」です。

ゲームの概要と背景

「こころかるた」は、もともとアメリカで開発された対話型ゲーム「アンゲーム」が原型です。

心理的安全性を重視し、誰もが安心して自分の気持ちを話せるよう設計されています。

現在は日本語版として「こころかるた」の名前で販売されており、かつてはボードゲーム版も存在しました。

カード形式になったことで、より手軽に家庭や学校で活用できるようになっています。

期待できる効果:こころの力を育てる

このゲームを通して、子どもたちは以下のような力を自然と身につけていきます

• 👂 聴く力(傾聴力)

衝動的に話を遮ったり、自分の話ばかりしてしまうお子さんも、ルールに沿って「話す人の時間」を守るうちに、相手の話に耳を傾ける習慣が育ちます。

「今は聞く時間」「次は自分が話す時間」と明確に分かれていることで、安心して待つことができ、結果的に聴く力が高まります。

• 💭 想像力と共感力

同じ問いでも、人によって答えが違うことを知ることで、「自分とは違う考え方があるんだ」と気づき、他者の気持ちを想像する力が育ちます。

• 🎯 問いに正対した答えを返す力

カードの問いに対して、自分の気持ちや考えを整理して言葉にすることで、自己表現力が高まります。

• 🛠 レジリエンス(心の回復力)

安心して話せる場があることで、日々の小さなモヤモヤや不安を言葉にでき、心の整理と回復が促されます。

• 🤝 コミュニケーション力の向上

「否定しない」「受け止める」「広げる」というルールの中で、対話のキャッチボールが自然と身につきます。

対象児童生徒像:こんな子におすすめ

「こころかるた」は、特に以下のようなお子さんに効果的です。

• ⏳ 集中力が続きづらく、最期まで待てない、コミュニケーションが成立しづらいタイプ

→ 聞く時間と話す時間を明確に分けることで、段階的にコミュニケーション力を育てられます。

• 🗣 自分の意見をなかなか口にできないタイプ

→ 「必ず自分の意見を言う」ルールがあることで、少しずつ表現の練習ができます。

言葉にするのが難しい場合は、絵カードなどを使って「今の気持ちに近いもの」を示す方法も有効です。

• 🧩 相手の気持ちを想像することが苦手なタイプ

→ 同じ問いでも、自分とは異なる考え方をする人がいることを知ることで、他者理解の第一歩が踏み出せます。

ゲームの進め方とルールのポイント

• カードを引いた人が「自分の考えを話す時間」を必ず持つ

• 他の参加者は「否定せずに受け止める」ことがルール

• 話を聞いたうえで「自分ならどう考えるか」を共有する

意見を発展・広げることはOK、ただし「評価・批判」はNG

安心して話せる場づくりが、ゲームの本質です

活用例:家庭・学校・支援現場で

• 🏠 家庭での親子時間に:寝る前の5分で心の整理

• 🏫 学校や支援現場で:グループワークや自己理解の時間に

• 🧑‍🏫 ワークショップや研修で:アイスブレイクや関係づくりに

お知らせ:アンゲームボード版も体験できます!

「こころかるた」の元となったアンゲームには、ボード版もあります。

11月29日開催予定の「小平つながりフェス」に、たまっ子ふぁん教育相談室も学習ゲーム体験会で参加します。

当日はアンゲームのボード版も体験できますので、ぜひ親子で遊びに来てください!